箱を運ぶ検証に続き、今回は部品の差し込みを試しました。使ったのは、Play2Perfectの著者が公開している学習済み方策です。当社で新しく学習したモデルではありません。
ロボットはG1ではなく、KUKA iiwaの腕とSharpaの多指ハンド。Isaac Sim上で、すでに持っているL字形の部品を治具へ差し込み、手を引き戻すところまでを評価しました。実機での検証ではありません。
動画:把持済みの部品を差し込み、手を引き戻す
約2.87秒、60fpsの等倍映像です。机から部品を拾う工程は含みません。目標位置を示す補助モデルは非表示にしていますが、物理条件や制御は変更していません。表示変更前後で172ステップの物体・関節の軌道が一致することを確認しました。
今回の結果
最初の3環境では3/3、別の乱数シードによる10環境では10/10が、著者の評価器の全サブゴールと引き戻し条件を満たしました。早期失敗や未完了による除外はありません。動画用の1試行はこの集計に含めていません。
公開条件での少数試行の結果です。未知の部品でも同じ割合で成功することや、実機での成功率を示すものではありません。
「隙間0.5mm」と「0.5mmの位置精度を実証した」は別の話です。このタスクの部品隙間は0.5mmですが、挿入位置に関する成功判定パラメータは0.01m。手を引き戻した後、数秒間安定して静止するかは今回の成功判定に含まれていません。
動作指令の再生ではなく、公開された学習済み方策を実行
Play2Perfectは、物体を操作する事前学習から組立タスクへ進む、2段階の強化学習手法です。今回は公開済みの差し込み用モデルを利用しました。当社による追加テレオペや追加学習は行っていません。
方策への入力は関節や物体の状態など140次元です。カメラ映像を見て対象物を認識するVLAや、ACTの検証ではありません。シミュレーターから得た物体状態を使っているので、実機へ広げる際には、その状態をどう計測・推定するかも課題になります。
搬送から、接触を伴う細かい作業へ
前回のG1搬送では箱の支持や摩擦を調べました。今回は別のロボット構成を使い、部品と治具の接触を伴う差し込みを、公開方策でどこまで再現できるか確認しています。G1の搬送性能がそのまま精密組立へ広がった、という結果ではありません。
チームゼットでは、公開手法の再現、シミュレーション環境の構築、評価ログと動画による検品に取り組んでいます。製造業・物流のロボットシミュレーションや技術検証については、お問い合わせからご相談ください。
一次資料・実行条件
- Play2Perfect論文
- 著者の公式コード:ff2fc62873f6c6cd93164123c8358e9ce2d65c9b
- 公開チェックポイント:29f86a6cec2b7bd1aa7ffa8d5031e628a22386e4
Isaac Sim 5.1.0.0、Isaac Lab 2.3.2.post1、NVIDIA L4で実行。コードはMIT、モデルカードにもMITの表示があります。本記事では当社の実行結果と録画を掲載し、第三者のロボットモデルや学習重みは配布しません。