TEAMZ
技術記事一覧へ戻る
技術記事2026-09-07

公開モデルでG1を走らせる。初期位相を合わせ、倉庫内60秒走行へ

自社研究・シミュレーション検証/2026年9月7日

公開されたG1走行ポリシーをIsaac Simへ接続しました。最初の試験では1秒を待たずに転倒。初期姿勢と走行周期の対応を調べ、平面上の30秒走行を確認した後、棚や荷物のある倉庫シーンで60秒走らせました。

60秒・25fps、シミュレーション時間の等倍速。速度、左右足の接地力、両足離地、X方向の位置を表示しています。実機の映像ではありません。

制御モデルを作ったのは誰か

使用したのは、CaltechのZachary Olkin、William D. Compton、Ryan M. Bena、Aaron D. Amesによる「Chasing Autonomy」(2026年3月26日公開)の学習済みモデルです。Olkin氏のGitHub「Zolkin1/robot_rl」とHugging Face「zolkin/robot_rl」で公開されています。当社で追加の強化学習はしていません。

出典:論文著者コード使用した公開モデル群

モデルは、胴体の角速度・傾き、21関節の角度・速度、速度指令、直前の出力、走行周期など74個の観測値から、関節の目標角度を50Hzで更新します。PD制御で関節を動かし、Isaac Simが200Hzで重力・接触・摩擦を計算します。開始後に胴体位置を直接書き換えて前進させる処理はありません。

初期姿勢と周期が合わず、最初は転倒した

配布ファイルには走行中の姿勢・速度が保存されています。しかし、それに対応する初期位相は保存されていませんでした。位相0から始めた最初の試験は0.68秒で転倒しました。

著者の検証設定を読み、学習時に使われる関節摩擦の範囲内に設定しました。摩擦を合わせるだけでは改善せず、周期の開始位置を8通り試しました。位相0.5で12秒走行でき、独立に起動し直した30秒試験でも継続できました。これは今回の初期状態に対する再現条件で、他の姿勢でも同じ位相が適切とは限りません。

長距離の映像と、走行の計測をつなぐ

NVIDIAのSimple Warehouseアセットを組み合わせ、長い通路を構成しました。機体が白く見える問題には、URDFの部位ごとの色分けをUSD材質へ反映し、倉庫の照明下で白飛びしないよう反射率と粗さを調整しました。実機の色を測定して再現したものではありません。横へそれる問題には、シミュレーターの正解位置・向きを使って旋回指令を補正しています。今回の動画はVisual SLAMやNav2による自律走行ではありません。

走行中は200Hzで胴体位置・速度・左右足の接地力・関節角度を保存し、開始3秒以降を定常区間として評価しました。左右足の合力がそれぞれ5N未満の時間を両足離地として数えます。「速く移動している」だけで走行成功とせず、離地が繰り返されることを確認しています。

最新の数値結果と担当した実装の概要 →

今回の限界と、次に接続するもの

開始時に走行中の姿勢と約3.66m/sの初速度を与え、2m/sへ減速する条件です。静止からの発進・停止は未実装です。指定した静的環境での結果であり、実機、動く障害物、複数条件での成功率は未検証です。

次は発進・停止と、視覚による自己位置推定・経路追従への接続です。制御モデルの入出力、開始条件、計測方法を固定しておくことで、接続後に何が悪化したかを比較できる状態にしています。

環境:Isaac Sim 5.1 / Isaac Lab 2.3.0 / NVIDIA L4。著者コード固定版:3c280e1。モデル:running_clf_sym、2026-02-27_11-09-13の公開チェックポイント。

フィジカルAI・ROS2開発のご相談

ROS2の実装、シミュレーション環境構築、動作評価を担うメンバーが必要ですか?準委任での開発参画について、担当業務と稼働条件をお聞かせください。

AI Concierge

Online
フィジカルAI・ROS2開発への準委任での参画と、SESについてご案内します。担当してほしい業務や、希望する時期・稼働量をお知らせください。

Powered by TEAM Z AI