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技術記事2026-09-18

みかんを傷めずにつかむには? G1の触覚制御をシミュレーションで検証

みかんをつかむとき、人は指先の感触を頼りに力を変えています。強く握れば傷めてしまい、弱すぎれば落としてしまう。この「力加減」を、ロボットでも扱えるようにする取り組みです。

チームゼットでは、人型ロボットG1によるみかん収穫のシミュレーションを開発しています。触覚に応じた指の制御と、過大な力を検出して動作の進行を止める仕組みまで検証しました。現在は、安定した保持と収穫動作を詰めています。

現時点では、みかんを傷めずに収穫する一連の動作は未達です。実機での収穫と、VLAによる収穫学習もまだ完了していません。

Isaac Sim 6で記録した手・指・果実の動きを、最新の3D農場で再描画した検証映像です。果実はまだ枝側の拘束で支えられており、手だけで保持した映像ではありません。周囲の枝葉は表示用で、干渉の検証は別途必要です。

目で見るだけでは、握る強さは分からない

手と実が触れた画像だけでは、どのくらい強く押しているのかは分かりません。そこで、シミュレーション内の接触から得た力を「仮想の触覚」として使い、指の動きを調整しています。

説明アニメーションを表示/非表示指の動きと触覚フィードバックの模式アニメーション。実験映像ではありません。
触覚フィードバックの説明用アニメーション。実験の力を再生したものではありません。
触覚フィードバックの説明用アニメーション。実験の力を再生したものではありません。

実機の触覚センサーを測定して再現したものではなく、仮のセンサー設定による検証です。画面上で動いたことと、現実の果実を傷めないことは、分けて確かめる必要があります。

進めることと同じくらい、止まることも大切

今回の試験では、実に触れた状態からひねりへ進もうとした際に過大な力を検出し、動作の進行を停止しました。停止機能が働いたという結果であり、収穫に成功したという意味ではありません。

強すぎる力を検出する設定も、実物のみかんの損傷限界を保証する値ではありません。次は手だけで実を支え続け、その後も落とさず動かせるかを確かめます。

収穫までの段階と、現在確認できた範囲。
収穫までの段階と、現在確認できた範囲。

農場の見た目と、手元の動きを育てる

農場全体では、木の並び、通路、地面、奥の林を組み合わせて環境を試作しています。実際の園地を測量した再現ではなく、樹形や地表にはCGらしさが残っています。

農場全体の3D配置試作。収穫成功や実際の園地を示す写真ではありません。
農場全体の3D配置試作。収穫成功や実際の園地を示す写真ではありません。

今後は実際のみかんの枝を複数の方向から撮影し、接写する枝・葉・実の見た目を改善する予定です。見た目の自然さと、触れたときの力や動きの妥当性を、それぞれ検証していきます。

AIに任せる判断と、手元の力加減

VLAは、画像と人の指示をもとにロボットの動作を選ぶAIです。今後は「どの実に近づくか」「次に何をするか」という判断と、接触に応じて手元の力を調整する仕組みを組み合わせる方向で進めます。

今後目指す役割分担の説明用アニメーション。VLA学習は未完了です。
今後目指す役割分担の説明用アニメーション。VLA学習は未完了です。

今回動かした指の制御は、VLAが収穫を学習した結果ではありません。まず保持・切り離し・搬送を確かめ、学習に使える動作データを整える段階です。

次の一歩は、安定して支えること

目指しているのは、実をつかんだ瞬間だけでなく、ひねって離し、運び終えるまで扱えることです。失敗した箇所も記録しながら、環境づくりと制御の両方を進めています。

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