概要
dogzilla S2 の組立が完了しました。
付属のスマホアプリで基本操作(走行・旋回)を確認、動作動画も撮影。
これから SLAM(Simultaneous Localization and Mapping) と ナビゲーション の実装に着手します。
今後はセンサーBring-up → マッピング → 経路計画の順で段階的に開発・検証します。
背景と目的
当社では、モバイルロボットを用いた自律走行技術の社内R&Dを進めています。dogzilla S2 は、室内環境での自己位置推定と地図生成(SLAM)、および**経路計画(ナビゲーション)**を検証するための開発プラットフォームです。早期にハードの立ち上げを終え、アルゴリズム検証に集中できる状態を作ることが今回の目的でした。
初期動作の様子(動画)
付属のスマホアプリと本体をペアリングし、前進・後退・旋回などの基本操作を確認しました。UIの応答遅延は問題ない範囲で、微操作も可能でした。
これからやること:SLAM/ナビゲーション実装計画
開発は段階的に進め、各段階で測定・記録を行います。
1.センサ Bring-up
・ホイールオドメトリ / IMU / LIDAR の動作確認(ホイール無いが)
・時刻同期・TFツリー整備(base_link/odom/map)
・テレオペでrosbag2記録(基準ログを確保)
2.SLAM(地図生成)
・まずは 2D LIDAR + Odometry 構成でベースライン取得
・ループクロージャの挙動と**ドリフト量(RPE/ATE)**を定量評価
・マッピング環境:オープンスペース/狭通路/障害物多めの3パターン
3.Localization(自己位置推定)
・事前地図を使ったロボットの再位置合わせ(リローカライズ可否)
・長時間走行でのmap↔odomドリフト監視
4.Navigation(経路計画)
・ローカル/グローバルコストマップの基本設定
・Planner/Controller のパラメータ初期値 → クリアランス/平滑化のチューニング
・障害物回避とゴール到達率の測定、ログ化
5.評価と改善
・走行ログから経路逸脱量・到達時間・再計画回数を可視化
・パラメータセット(屋内オフィス / 倉庫想定)をプロファイル化
備考:SLAM/ナビの具体的ミドルウェア(例:ROS 2系、Nav2、Cartographer/SLAM Toolbox など)は、デバイス構成とライセンス、運用環境を踏まえて選定・検証します。
まとめ2
dogzilla S2 のハード立ち上げと初期動作確認まで完了しました。次はセンサBring-upとSLAM実装、続いてナビゲーションの段階的チューニングに取り組みます。開発で得られた知見(失敗含む)は、引き続き本ブログで公開していきます。