
G1が独自工場で棚から箱を取り出し、歩いてトレーへ配置。追加テレオペなしで歩行方策と両手の支持制御を統合。固定3/3、位置変更で配置1/10。シミュレーションの等倍速動画を公開。
独自に構築した工場シミュレーションで、ヒューマノイドロボットG1が棚から箱を取り出し、通路を歩いてトレーへ運び、手を離すところまで実行しました。当社での追加テレオペ収集は行っていません。
固定配置での成功例・50.64秒。シミュレーション時間の等倍速。歩行は学習済み方策、搬送はスクリプト制御です。
繰り返し試験の結果
固定配置はシミュレーターを起動し直して3回中3回成功しました。さらに箱の初期位置を前後・左右それぞれ±2cmずらした10条件では、配置・静止は1/10、接触と傾きも含めた今回の受入条件は1/10でした。
中断・未達の内訳は、配置中の移動量上限(20cm)が7件、腕の位置補正の上限(30cm)が1件、動作時間超過が1件です。
配置の判定は、箱全体がトレー内に収まり、支持面付近で速度0.05m/s未満の状態が3秒以上続くこと。追加の受入条件は、搬送区間の制御フレームで両手接触99%以上、箱の最大傾き30度以下、最終3秒に手との接触がないことです。指を閉じて握る把持ではなく、開いた両手で箱を支えています。接触力の記録は保持力の保証ではありません。
位置変更は乱数seed42の10条件で、失敗も集計に含めています。転倒に近い姿勢、落下、配置中の基準位置から20cmを超える移動などは途中で打ち切ります。別の荷物・棚・通路での成功率を示すものではありません。
歩く動作と、箱を支える動作をつなぐ
空荷で歩けても、箱を持ったまま曲がり、止まって置くには別の調整が必要です。今回は学習済みの歩行方策に、両腕で箱を支える制御を組み合わせました。棚の高さに手先を合わせ、通路を移動し、トレー前では立位の姿勢制御に切り替えて箱を下ろします。
初期の試行では、箱が大きく傾いたり、配置のために腕を動かすとロボットが後退したりしました。手を差し込む深さと、歩行から立位への切り替えを調整。動画の見た目だけで判断せず、両手と箱の接触、箱の姿勢、トレーへの収まり、手離し後の静止を記録しています。
テレオペなしで、どう動かしているのか
公開データに記録された手先の指令を、今回の棚の高さや配置に合わせて使っています。「記録された指令」とは、動画をそのまま再生することではなく、手をどこへ動かすかという目標値です。その目標をコントローラへ渡し、シミュレーターが重力や接触を計算してロボットと箱を動かします。搬送の途中で箱を瞬間移動させたり、手に固定したりする仕組みは使っていません。
当社で新たに遠隔操作して実演を集める工程を省いていますが、元の公開データには人間の実演が含まれます。歩行には学習済み方策を使用し、箱の取り出し・搬送・配置はスクリプト制御です。この独自工場の搬送タスクについて、ACTの本学習はまだ行っていません。
工場の作業を、実機導入前に検証する
棚や作業台を置くだけでなく、ロボットが届くか、物を支えられるか、通路を曲がれるか、手を離しても所定位置に残るかを確かめる。こうした検証をシミュレーションで進め、実機側で確認すべき条件を整理しています。今回の映像はシミュレーションであり、実機での搬送は未検証です。
チームゼットでは、製造業・物流向けのシミュレーション構築、ロボット制御、学習データ整備・評価などの実装を担う開発メンバーとして参画します。実機接続を見据えた開発もご相談ください。
技術:Unitree G1 + Dex3 / Isaac Sim 6.0.0-rc.22 / Isaac Lab-Arena / Unitree公開歩行方策 / PINK・HOMIE。元の把持動作はNVIDIA Arena-G1-Loco-Manipulation-Taskの公開データ(CC BY 4.0)を利用。映像はシミュレーション時間の等倍速です。
出典:Unitree公式シミュレーション、Isaac Lab-Arena、NVIDIA Arena-G1-Loco-Manipulation-Task(CC BY 4.0)。当社で工場環境、移動経路、支持位置と制御の接続を調整。