基幹システムで受注番号を検索して、単価をコピーして、Excelに貼り付けて、列の並びを直して、メールで返送する ――
この作業、1件あたり何分かかっていますか?
AIツール「Claude」を使って、この転記作業を自動化してみました。
この作業、1件あたり何分かかっていますか?
AIツール「Claude」を使って、この転記作業を自動化してみました。
こんな作業、ありませんか?
製造業で日常的に発生する「注文書への売値記入」。お客様から注文書(Excel)がメールで届き、自社の基幹システムで受注番号を検索して単価を確認、注文書Excelの所定のセルに転記してメールで返送する。
一見シンプルな作業ですが、地味に時間がかかります。
Before:手作業の流れ
1件の注文書を処理するのにかかる手順
すべて手作業
📧
メール受信
注文書Excel取得
1分
🖥️
基幹システムで
受注番号を検索
2分
📋
明細データを
コピー&転記
3〜5分
📤
Excelを添付
メール返信
2分
1件あたり 8〜10分
月100件なら約15時間 ― 丸2日分の作業が転記だけで消える
しかも厄介なのが、基幹システムの明細とExcelの列の並びが違うこと。単純にコピー&ペーストができず、一つずつ確認しながら転記する必要があります。
「これ、自動化できないかな?」
そう思って、Anthropic社のAI「Claude」を使って実際に自動化してみました。
自動化の仕組み
今回構築した自動化の仕組みはシンプルです。
自動化の全体構成
1
Gmail
注文書Excel添付メール
Claude
自動取得
2
基幹システム
受注番号で検索 → 単価取得
Claude
自動操作
3
注文書Excel
売値単価・売値金額を自動転記
4
Gmail下書き作成
転記済みExcelを添付
担当者
確認・送信
- 1メール受信 → 注文書Excel取得
Gmailに届いた注文書Excelを自動で取得し、処理用フォルダに保存します。 - 2基幹システムで検索
注文書に記載された発注No(=受注番号)をもとに、基幹システムで1件ずつ検索。単価データを読み取ります。 - 3注文書Excelに転記
取得した単価を「売値単価」列に記入。「売値金額」は数量×単価で自動計算します。列の並びの違いも、事前に定義したマッピングで吸収します。 - 4メール下書き作成
転記済みのExcelを添付したメール下書きを自動作成。担当者は内容を確認して送信ボタンを押すだけです。
実際にやってみた
デモ用に受注管理システムと注文書Excelを用意して、Claudeに処理させてみました。
基幹システムの画面
受注管理システム
_□×
受注管理システム
受注番号:
得意先名:
| 受注番号 | 受注日 | 得意先名 | 製品区分 | 品名 | 数量 | 単価 | 金額 | 納期 | ステータス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| J-2026-0003 | 2026/01/20 | アイシン(株) | 切削部品 | シャフトC-100 | 1,000 | 800 | 800,000 | 2026/03/10 | 受注済 |
検索完了: 1件ヒット
受注番号「J-2026-0003」で検索 → 単価800円を取得
結果:5件すべて正確に転記
Before:客先から届いた注文書
| No. | 発注No | 品名 | 数量 | 売値単価 | 売値金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | J-2026-0003 | シャフトC-100 | 1,000 | (空欄) | (空欄) |
| 2 | J-2026-0005 | ポンプAssy E | 100 | (空欄) | (空欄) |
| 3 | J-2026-0009 | モジュールI | 50 | (空欄) | (空欄) |
| 4 | J-2026-0010 | ノブJ | 5,000 | (空欄) | (空欄) |
| 5 | J-2026-0012 | コントローラL | 300 | (空欄) | (空欄) |
→
After:Claudeが自動記入
| No. | 発注No | 品名 | 数量 | 売値単価 | 売値金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | J-2026-0003 | シャフトC-100 | 1,000 | 800 | 800,000 |
| 2 | J-2026-0005 | ポンプAssy E | 100 | 12,000 | 1,200,000 |
| 3 | J-2026-0009 | モジュールI | 50 | 25,000 | 1,250,000 |
| 4 | J-2026-0010 | ノブJ | 5,000 | 320 | 1,600,000 |
| 5 | J-2026-0012 | コントローラL | 300 | 5,500 | 1,650,000 |
| 発注No | 品名 | 数量 | 単価(自動取得) | 金額(自動計算) | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| J-2026-0003 | シャフトC-100 | 1,000 | 800 | 800,000 | 正解 |
| J-2026-0005 | ポンプAssy E | 100 | 12,000 | 1,200,000 | 正解 |
| J-2026-0009 | モジュールI | 50 | 25,000 | 1,250,000 | 正解 |
| J-2026-0010 | ノブJ | 5,000 | 320 | 1,600,000 | 正解 |
| J-2026-0012 | コントローラL | 300 | 5,500 | 1,650,000 | 正解 |
5件中5件 正解
人間の作業時間:確認の30秒だけ
自動化の効果
After:Claude自動化後の流れ
人間がやるのは最後の確認だけ
AI自動
人間
📧
メール受信
Excel自動取得
自動
Claude🔍
基幹システム
自動検索
自動
Claude📝
売値を
自動転記
自動
Claude👀
結果を確認
送信
30秒
1件あたり 30秒(確認のみ)
月100件でも1時間未満 ― 約14時間の削減
| 手作業 | 自動化後 | |
|---|---|---|
| 1件あたり | 8〜10分 | 30秒(確認のみ) |
| 月100件の場合 | 約15時間 | 約1時間 |
| 転記ミス | ゼロにはできない | ほぼゼロ |
| 対応スピード | 担当者の手が空いてから | メール受信後すぐ |
数字だけでなく、「あの面倒な転記作業がなくなる」という心理的な負荷の軽減も大きなメリットです。
どんな業務に応用できる?
今回は「注文書の売値記入」でしたが、同じ仕組みは様々な業務に応用できます。
自動化できる業務の例
- 見積書の作成 ― 原価マスタから自動で売値を計算
- 請求書の照合 ― 受注データと請求データの突合
- 在庫確認 → 回答メール ― 在庫システムを検索して自動返信
- 受注データの入力 ― FAXやメールの注文内容を基幹システムに登録
- 日報・レポート作成 ― 複数システムのデータを集約して定型レポート生成
共通しているのは、「システムAのデータを見て、システムBに入力する」という人間が橋渡しをしている作業です。この橋渡しをAIに任せることで、人間はもっと価値のある仕事に集中できます。